【書評】完璧な親なんていない!クーヨン2020年2月号
クーヨンという雑誌をご存じでしょうか?
子どもも大人も、みんな違ってみんないい!子どもの自然な育ちをせかさずに、家族の時間をゆっくりたのしめば、たいていのことは大丈夫……そんなスタンスの育児雑誌です。出典:月刊クーヨン|クレヨンハウス
図書館に置いてあるのを見つけて時々興味がある特集のものを借りています。
モンテッソーリ教育やシュタイナーなど子どもの自主性を尊重する育児法が私の価値観と合っていて勉強になることが多いです。
先日借りた2020年2月号、
『「完璧な親」なんていないからみんなでストップ!
怒鳴る、脅す、叩く育児』
に非常に勉強になることが書いてありましたのでご紹介します。
育児のイライラは子どもだけが原因ではない?!
子どもが言うことを聞かない!
他の子はできるのに何でうちの子だけ?
子育てしているとそんな場面に出くわすことは一度や二度ではありませんよね。
怒るのは良くないと頭では分かっていても、ついカッとなってしまうことも…
子どもを怒る背景には子どもの行動や、自分の余裕(寝不足など)のみが関係していると思っていましたが、そのほかにも原因があるようです。
イライラの背景
- 育児のイライラ
- 発達の凹凸
- パートナーの暴力
- 傷ついた自分のこころ
育児のイライラや発達の凹凸については、誰かに頼るとか、良いところを見つけよう、など何となく理解できていることがほとんどでした。
(全て実践できてはいないのですが)
意外だったのがこの2つです。
・パートナーの暴力
・傷ついた自分のこころ
パートナーの暴力
パートナーを気遣い子どもに手をあげてしまうことがあるようです。
例えば
・「お前のしつけがなっていない」とあなたがダメな人間だと思うようなことを言われる。
・パートナーを最優先しないと、ふてくされたり、怒ったりする。
パートナーのこのような行動が原因で子どもにイライラを向けてしまうことがあるそうです。
私の実父がこれに似たタイプで、確かに母親もストレスで私にあたることが多かったように思います。
ちなみにこれらは全てDV(ドメスティック・バイオレンス)にあたります。
DVのある家庭で育った子は「自分が悪いんだ」と思い込んだり、大人になったときに暴力の加害者になったりすることもあります。
すぐに「逃げる」という手段だけではなく、パートナーと自分を切り離して考える心の持ち方も書かれてあり勉強になります。
もし身の回りにDV被害がありそうなら、以下の相談センターに問い合わせるようにしてください。
●女性・人権センター「ステップ」
http://home.k06.itscom.net/npo-step/
●DV相談ナビ
TEL:0570-0-55210
●女性の人権ホットライン
TEL:0570-070-810
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken108.html
●配偶者暴力支援センター
http://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/01.html
傷ついた自分のこころ
これは自分が幼いころに抑圧されて育ってきたため、負の感情を子どもにぶつけてしまう場合です。
先ほどのDVがあった家庭ではこちらも併発するんじゃないかと思います。
言いたいことが言えない、親の指示が絶対など。
幼少期に感情を抑えこむことに慣れてしまって、親になってからも、子どもが素直に可愛いと思えなかったり、自分の育児に自信が持てなかったりするようです。
この場合、まずは自分の傷を受け入れることが必要です。
具体的なセルフケアのワーク法も載っています。
自分の本当の声に耳を傾けるのは中々つらい作業ですが、ここを乗り越えて親としての一歩踏み出すことが必要です。
脳科学と子どもの虐待
誰でも親になったら子育てができるものと思い込んでると思いますが、そうではないようです。
子育てをするにはかなりの練習と経験が必要らしいのです。
2月号のクーヨン
— ともだるま@ワーママブロガー (@tomodaruma3533) 2020年3月19日
いいこと書いてある️🖍
“本能だけで子育てはできない。
練習と経験が必要。”
【子育てに必要な3つの経験】
①育ててもらった経験
②他人の子育てを見て学ぶ経験
③わが子と接する経験
子どもが生まれたからって誰でも子育てできるようにはならない🙅🏻
また、虐待がおこる原因を脳科学的に見ると以下の3つが関係しているそう。
- 経験不足
- 子育てに関わる脳の欠損
- 飢餓状態(貧困)
ただし、人間の脳は環境に合わせて変化できる特性があり、過去に虐待を受けていた人も「いまの環境」がよければ脳が変わり、行動も変えられます。
誰にだってつらい過去の一つや二つはあるはず。
過去に引きずられて子どもにイライラしてしまうより、子どもの「今この瞬間」に目を向けて、毎日少しずつ改善しながら育児をしていく。
そうすれば100点満点にはならないかもしれないけど70点くらいにはなるはず。
完璧ではなくグッドイナフを目指す。
いい言葉だなと思いました。
私もまだ母親3年目、完璧になんてなり得ない。
グッドイナフを胸に刻んでもっと余裕をもって接してあげようと思いました。
「成功する子は~」「子どもの脳をつくるのは~」と
子どもをどうやってコントロールしようかと考える親の欲が表れた育児書が並ぶ中、
月刊クーヨンはほっと一息つける貴重な育児雑誌だと思います。
毎月読む必要はありませんが、気になる特集があるときには良かったら読んでみてくださいね!
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