【書評】ちきりん『ゆるく考えよう』
社会派ブロガー、ちきりんさんの著書
『ゆるく考えよう』を読みました。
ちきりんさんの考える「ゆるく」とは
私たちの考える「ゆるく」とは一風変わったものでした。
ゆるい考え方とは?
本のタイトル「ゆるく」とは一体どんなことでしょう?
みんな頑張りすぎ!力を抜いて生きていこうや~
みたいなものを読む前は想像していました。
しかしそれとは少し違って、
考え方の枠を広げることでした。
例えば「頑張ってる人は素晴らしい」というのは
予定を詰め込んで効率的に仕事をする人や
積極的に社交の場に出かけていく人
が賞賛されるイメージからきています。
でも別に周りに迷惑かけていないなら
ニートだって批判される必要ありません。
そもそもニートの定義が
働く・勉強・訓練=正しいもの
という前提でできた言葉だけど、
その考え方こそ限定的すぎない?と言っているのです。
これまで正しいと言われてきたことが
誰にでも、この先も正しいことなんてない。
それが、ちきりんさんのいう「ゆるい」考え方のようです。
諦めたら楽になる
人生どこかで諦めないといけない時がある。
それならば早めに諦めたら?
とサラッと衝撃的なことを言います。
ええ~!!そんな未来のないこと言わないで!
と反発したくなりますが、
下の人生3分割表を見せられると
言い返すことができなくなります。
年代によって
・仕事
・家庭
・趣味=個人の時間
にかけられるウェイトが変わる。
という話を視覚的にまとめた表ですが、これがとにかく斬新です。
カジメンver.、ワーママver.を一部引用させていただきます。
若いときは仕事と趣味で楽しんで、
家庭を持ってからは仕事をセーブしながら家庭のこともして、少しは趣味の時間もある。
なるほど、子どもが生まれる前の夫でイメージがつきます。
一方、ワーママver.はこちら。
ワーママは子育て期は仕事と家庭のみ。
趣味は諦めろということらしいです。
ちきりんさんの主張は、仕事・家庭・趣味
3つ全てを同時にやるのは無理で
どれか2つを選択しなければならないということです。
3つ全てやろうとするから
できないことにストレスを感じてしまう。
最初から2つしか選べないことが分かっていれば
しょうがないと割り切れてラクになるよとのことです。
確かに無理に自分の時間を持とうとして
でもそれができなくてイライラしてしまっていました。
他のワーママは要領よくやっているのに
何で私はできないんだろうと落ち込むこともありましたが
ここまでハッキリ言われると逆に諦めがつきます。
さらに仕事と家庭、この2つができていれば十分じゃん!
と考え方を変えることもできました。
これが諦めたら楽になるってことなんですね。
ちきりん流儲け方
昔ながらの働き方が崩れつつある現代。
これからは自分で仕事を作っていかなければならない時代です。
そんなときに役立つ「ちきりん流儲け方」は覚えておくといいと思ったのでシェアします。
【ちきりん流儲け方】
- できるだけ返させない
- できるだけ使わせない
- 使っていない時も払わせる
1の「できるだけ返させない」は長期住宅ローンのように、長い間お金を貸すことで手数料を取るモデルのことです。
住宅ローンを組んでしまった我が家には耳が痛い話です。
2の「できるだけ使わせない」は、記念切手のようにコレクター魂をくすぐること。
使われない切手はほぼ全てが利益となるからです。
3の「使っていない時も払わせる」で典型的なのはスポーツジム。
会員が飽きてジムにいかなくなると、その分スタッフや教室の確保がいらなくなるからです。
世の中の儲けているサービスを見ると確かにどれかに当てはまります。
これを2013年より前に書いていたんだからすごいです。
他にも巷にあふれる情報商材や宗教についても
「なぜ人はそれに惹かれるのか」という観点から厳しく評価しています。
私たちが上記のようなサービスを利用する時に、ちきりん流儲け方を理解しておくと安易にだまされることがないように思います。
これからの時代どうなる?
これからどんな社会になっていくの?
そこは社会派ブロガーであるちきりんさん。
経営学者ロバート・E・ケリーの説を引用して
「ゴールドカラー世代の登場」を説明されています。
ゴールドカラーとは・・・
ホワイトカラー、ブルーカラーなどと同じく、職種層や労働力の質をタイプ分けする言葉です。(引用元:日本の人事部)
ゴールドカラーの特徴は2つ
- 移動距離が圧倒的に長い
- 誰にも雇われない
移動距離というのは日本で生まれたけど仕事はシンガポールでとか
世界を飛び回って仕事をする人のことです。
誰にも雇われないというのも会社という組織には属していても仕事を自分で選び、主体的に転職を繰り返す人などのことを言っています。
ちょっと私には縁がなさそうな話だと感じます。
しかしそんな時代を生きる子どもたちに
私たちができることはないのでしょうか?
ゴールドカラーの育つ環境にいくらかヒントがあるようです。
ゴールドカラーの人は自分で選ぶことができる人
ゴールドカラーの人は小さなころから選ぶという経験を多く積んでいるそうです。
他人とは違う言動をしても認めてあげたり
突拍子もないことをしても応援してもらえる
そんな環境がゴールドカラーを生み出すそうです。
これならお金もかからないし、私たちにもできそうですよね!
別に子どもにエリートになってほしいとは思っていないし、
本書に従えば 庶民なりの成長をたどるはずですが
できることはしてあげたいですよね。
変わった行動をしても認める・褒める
これは子どもの自己肯定感を育てるうえでも大切なことだと思うので、ぜひ普段の育児に取り入れてみようと思います。
まとめ
ちきりんさんの発言は私たちの思いもよらない切り口から語られるので
そんな考え方があったのか!
と本を読むたび自分の脳のスペースが広げられる気がします。
自分の時間を諦める部分に関しては、
ある程度は諦めつつ、今できることはちょこちょこ試すくらいの「ゆるい」感じに生きていこうと思います。
ちきりんさんの本はどれも良書!
一番のおすすめは『自分のアタマで考えよう』ですが、
『ゆるく考えよう』も2013年発行とは思えないくらい今読んでも新鮮な内容でした。
どちらか気になった方から読んでみてくださいね。
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