【書評】Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である
- 人の会話を遮って自分の話をする人
- 相手を人前で侮辱する人
- 細かなことをネチネチ言う人
こんな「無礼な人」周りにいませんか?
そんな無礼な人が及ぼす影響について書かれた本、
『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』を紹介します。
こんな人にオススメです
本書はこんな悩みを抱えている人にオススメです。
- 上司の無礼な態度にストレスを感じている
- 無礼な人のせいで転職を考えている
- 部下や後輩に正しく接したいと思っている
- 無礼な人を採用したくない、扱いに困っている人事担当者
無礼は人をバカにする
本書の調査で、無礼な人が職場にいると、いかに悪影響をもたらすかが明らかにされています。
無礼な職場では・・・
48%の人が仕事にかける労力を意図的に減らす
38%の人が仕事の質を意図的に下げる
80%の人が無礼な態度を気に病んで仕事に使うべき時間を奪われている
何となくあの人がいると嫌だなと感じていたと思いますが、嫌な人が及ぼす損失は本当にあったんです。
無礼な人はまわりの思考能力・認知能力を下げる
あの人嫌だなと思っていることに時間も気も奪われて本来すべき仕事が疎かになる、またはミスをする
本末転倒ですが、実際にこういうことが起きます。
無礼な人が周りにいると私たちの考える力がどんどん奪われていく。
そんな研究結果が示されています。
これは仕事場の中だけでなく、家庭であった嫌な事のせいで無意識に違うことを考えてしまって会議で上の空だったり、いつもはしないミスをするってことありませんか?
私は仕事とプライベートは完全に頭を切り替えられているんで!
っ方にはすみません。
そのような感じで嫌な人が私たちの思考力を蝕んでいると思うと何だか怖いですね。
無礼な人から身を守る方法
そんな無礼な人が周りにいたらどうすれば良いんでしょう?
元も子もないですが、振り回されないことが大切です。
無礼な人を気にする時間や労力を
自分のやるべきことに集中して使うようにすれば良い。
すぐにやり返さない
それは分かってるんだけど
どうにも納得いかない!
このままでは精神を病んでしまう!
何か対処しなければ!
と考えたときには冷静に以下の3つを分析すると良いそうです。
- やり返したとして危険はないか?
- 無礼な行いは意図的なものか?
- 無礼な行いは初めてのものか?
この問いに一つでもNOだったら直接話し合ってはいけないということが書かれています。
仲介人を設けたり、適切なタイミング・場所を慎重に選ばないといけません。
これ、DVパートナーへの対処を想像しました。
DVをする人と話し合うのは1対1だと危険です。
第3者を交えて、できるだけ公共の場で話し合いをすることが望ましいです。
職場間トラブルでも実際に色んな事件は起きていますから、慎重に進めた方がいいのは納得できます。
転職を考えたときに考えるべき
こんな無礼な人と働けない!と思った場合
転職するという方法もありそうです。
そんな時にまた考えておくべきポイントは以下の3つです。
- 転職した場合のメリット、デメリット
- いつまでもこのままか?
- このままだと精神や身体に悪影響をうけるか?
転職は良いことばかりではありませんから、思い付きで行動するべきではありませんよね。
部署異動を願い出るとか、在宅勤務で嫌な人との物理的な距離が取れないかなど。
転職以外にも方法がないか考えてから転職を考えるのが良さそうです。
決めるのは常に自分
どんなに無礼な人が周りにいたとしても、その後の行動を決めるのは常に自分です。
これ良い言葉だなと思って。
人のせいにして、自分を被害者にするのは簡単です。
けど、そこで選んだ道には自分で責任を負って生きるべきだなと。
礼儀正しい人になるために
ここで終わってもいいのですが、本書では
周りにいる無礼な人
だけでなく
自分が無礼な人にならないための方法についても書かれています。
あなたの礼節チェック30項目
まず、あなたがどれくらい「礼節のある人」かをチェックする項目があります。
以下のような内容です。
- 人に何かをしてもらった時に「よろしく」「ありがとう」と言わない
- 直接会って話をすべきときにメールだけで済ませる
絶対しない!ということもあれば、たまにはしちゃうかもという項目もあるはずです。
人の無礼は目に付きやすいですが、案外自分も近いことやってたなと気づかされるので、このテストは絶対にやってほしいです。
その上で、無礼とは対照の「礼儀正しい人」になるための
- 7つの方法
- 3つの原則
- 5つの心得
が紹介されています。
7つの方法
具体的な7つの方法が書かれていますが、
ここでは私が特に大切だと思った一部をご紹介します。
- 他人からフィードバックをもらう
- 人の感情を読み取る訓練をする
- 自分を大切にする「食う寝る動く」
あなたが普段どんな行動をしているか、周囲にいる人にフィードバックをもらう。
複数人からもらった答えから、あなたの行動パターンの共通点が見え、改善点を考えていくプロセスです。
周囲の協力が必要ですが、
他人から見えるあなたの姿というのが一番大切だと思うので是非やってみてほしいです。
ちなみに私も夫に聞いてみたところ「コツコツ頑張れてそこはすごいな」と。
一人だと「そんな面もあるかも」という程度ですが、何人かに聞いてみるときっと共通する部分が見えてくるのでしょう。
3つの原則
- 笑顔を絶やさない
- 相手を尊重する
- 人の話に耳を傾ける
基本的に「聞く」を重視した方が良いようです。
みんな自分のことを話したいですからね、聞いてくれる人の存在はありがたいものです。
どれも当たり前のように見えますが、いつも全部きちんとできている人って意外といないですよね。
当たり前のことを当たり前にできる人こそ強い!
そう思ってこの原則を大切にしたいです。
【上級編】5つの心得
ワンランク上の礼節のある人になるための
- 与える人になる
- 成果を共有する
- 褒め上手な人になる
- フィードバック上手になる
- 意識を共有する
「与える人」とは『GIVE&TAKE 「与える人」こそ成功する時代』のギバーの概念を引用していました。
ここでギバーが出てきたのが驚きでしたが、礼節の上でも欠かせない概念なんですね。
【人事・管理者向け】無礼な人を採用しないために
あなたが人事担当者や管理者である場合に、相手が無礼な人かどうか見抜くための質問例も用意されています。
一例では以下のような質問と態度で判断することが書かれています。
[質問] 仕事で強いストレスを感じたときに葛藤がある時はどのように対処する?
[態度] 前職について悪く言うことはないか
私たちも就職の面接でこんなこと聞かれたなと思い出しました。
これは私たちが無礼な人かどうかを判断するための質問だったのですね。
既にいる無礼な社員はどうしたら?
既に無礼な社員がいる場合の対処法としてはシンプルです。
続けてもらう or 辞めてもらう
辞めてもらうという選択肢があるのが外国の本らしいです。
それでも辞めるまでのプロセスは参考になることが書かれていました。
機会を与える
↓
きちんと行動できたか評価
(周りもちゃんとしないと損と認識させるのに役立つ)
↓
改善が見られなければ解雇
改善の機会を与えて、改善が見られたかチェックする。
その工程を周知させることで、他の人も「ちゃんとしなければ」という気にさせるというのが上手いです。
まとめ
- 無礼な人は組織のパフォーマンスを下げる
- 無礼な人への対処は冷静に
- 礼節のある人になる
- 無礼な人を採用しない
表紙とタイトルがシンプル過ぎて
面白くなさそうと思っていましたが、
読んでみるとめちゃめちゃ良い本でした!
さすがベストセラー!
単に無礼な人を批判するだけでなく、
私たちが無礼な人になっていないか?
無礼な人にならないためにはどうしたら良いか?まで書かれているのが非常に好印象でした。
『Think CIVILITY 「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』、ぜひ読んでみてください!
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